参加者インタビュー
「答えはいつでも自分の中にある。」~働く上で1番大切なこと
佐野大地/Daichi Sano
石川県生まれ。現在26歳。
大学2年生の時に大学を辞めて、3年半ほど旅をしながら自由に生活する。24歳の時、ゲストハウスに就職。同時にLIFE DESIN SCHOOL(以下LDS)大阪3期に通い始める。やりたいことが見つかり、勤めていた会社を退職。現在は株式会社はぐくむと個人のコーチングの仕事をしている。(本記事は2020年12月のインタビューに基づくものです)
ー今は何をしていますか?
はぐくむのシェアハウスで生活しながら、はぐくむの仕事と個人のコーチングをしています。また、100人規模のシェアハウスにも住んでいて、2拠点生活をしてます。最近は、パートナーシップや家族の関係性をアップデートすることに向けて、家族カウンセリングの講座を修了しました。
ーLDSに来る前はどんな感じでしたか?
ずっと好きなことをして生きていきたい思ってきました。
大学では物理を専攻していたけど、そのままやっていこうとは思えず、また就活もしたくないなって思って大学を辞めました。
その後はタビイクという、旅プログラムを運営する団体で、引率者として旅をしていました。好きな旅もできたし、これからもやりたいことや好きなことで生きていきたいって思っていました。
でも、そんな生活を続けていたら借金が200万円出来ました(笑)
このままじゃダメだなって。数字として200万円の借金ができているのは、それだけ、消費をして価値を生み出してないからだなって。
だから、ここで一区切り入れようと思って、好きな旅に携われるゲストハウスに就職しました。そして、就職すると同時にLDSに通い始めました。
ーLDSでの変化を教えてください
1番大きな変化は自分の感情や考えていることを表に出すようになったことです。
もともと、場づくりやファシリテーションをしていた経験から、LDSのコミュニティづくりが気になって参加しました。だから、場の空気感や全体を見て、自分の気持ちには蓋していました。
でも、1回目の合宿が終わった後に
「みんなのことをすごく考えてくれているけど、自分のことは考えている?みんなの中に自分は入っている?」と問われました。
いざ問われた時に、考えているハズだけれど…ってモヤっとしたんです。
本当は、自分が変わりたいとか、こうなりたいということには目を向けてきてなかったからです。
そこから「自分の中で話していない想いって何だろう」「本当はこうなりたいって思っていること」ってなんだろうと考え始めました。
今までは、自分の武器や装備を増やそうとしてたけど、だんだんと外側に影響を与える為には「自分から変わらないと」「自分の内面を磨いていかないと」ということを体感し始めました。
自分を磨こうと思ったら、場の空気を考えるのではなく、自分の話をするようになったり、自分が感じていることにピッタリな言葉を探すようになりました。
ーその変化によってどんなことが起こりましたか?
本当にやりたい仕事に出会えました。
ゲストハウスで働いている時は、好きだなって思うことが仕事としてあればそれでいいと思っていました。仕事が出来て、かつ自分のすきな旅に携われる。
一旦、その時点では好きなことが仕事になっているっていう自分のニーズは満たしていました。働くっていうことがどういうことかは考えていなかったけれど、自分にとってはそれで良いと思っていました。楽しかったし、全く不満もなかったです。
でも、LDSに通う中で、自分の仕事に対する考え方が変化していきました。
『はたらく』について考えるクラスで、働くとは傍(はた)を楽(らく)にする、つまり周りの悲しみ・苦しみを楽にしてあげることだという話がありました。抜苦与楽(苦しみを抜いて、楽しみを与えること)をする活動であると。
そのうえで、「誰にどんな価値を与えたいのか?」という問いがクラスで投げかけられました。そこで、あらためて「自分は誰をどんな形で助けたいんだろう」と考えるようになりました。
印象的だったのは、クラスの中で、「自分は〇〇屋さんです!」って自由に仕事を作って、妄想で自己紹介するワークです。
働いていたゲストハウスの仕事では、旅が好きだったから、旅の楽しさとか、快適さを提供していました。
でも抜苦与楽(苦しみを抜いて、楽しみを与えること)を考えたときに、自分は抜苦(苦しみを取りのぞくこと)への想いのほうが強いなって感じました。
そして、「誰を助けたいか?」を考えると、「人との関係に苦しんでたり、自分の個性を発揮できないって悩んでる人を助けたい」と思い始めました。それが自分のライフワークに近い感覚がありました。
そこで、VANLIFE×コーチングというのが出てきました。
旅の途中で、悩んでる人を車で拾って、山とか海とか、森とかに連れていって、ノイズレスな環境の中で対話をしていくなかで、悩んでる人の望みや願いを感じてもらう時間をつくる、というものです。
そういう仕事やってます。ってワークの中で自己紹介しました。
そのときくらいから自分の中で「誰にどんな価値を与えたいのか」ということがはたらくことだし、自分の使命につながってる、と考えるようになっていきいきました。
楽しいけれど、「自分の助けたい人は旅行者じゃないな」って気づいて、最終的にはゲストハウスの仕事を辞めました。
今は「誰にどんな価値を与えたいか?」について自分の考えが強固になって、より核の部分に迫っている感覚があります。
ーこれからどんな未来を描いていますか?
今は関係性、特に家族や恋人などのパートナーシップに関わりたいと思っています。
これらの関係性は一緒にいるから豊かに生きられるけれど、逆に制限されてしまう場合もあります。そこにインパクトを出したいと思っています。
家族の形や関わりの形にバリエーションが出たり、多様な形になるための文化のアップデートをしたいと考えています。LDSやタビイクに関わっていく中で、家族の関係性にみんなそれぞれ何か抱えていることが多くて、それをもどかしく感じていました。自分自身、人と関わって生きるのが好きだし、みんな大事にしているよなと思ったんです。
自分は家族との関係で傷を負った自覚はないです。でも、そこでフィールドが違う人が他のフィールドの社会課題に切り込んでいくことは社会の境界線を溶かせる可能性があると思っています。切り分けで解決するのではなく、普通に育ってきたからこそ、隔たりをなくせる立場だと思っています。そこに切り込んでいきたいです。
-LDSの価値は何だと思いますか?
being(在り方)を大切にしていることだと思います。doing(やり方)から入ると、できるからやる、とかできないからやらない、みたいな判断基準になると思うんです。
そうではなくて「やりたいのかやりたくないのか」「何を大事にしているのか」などの中身を大事にしたうえで、やってみようと考えられます。できるできないという怯えを取っ払って、内面を磨いてチャレンジしてみるということが他にはないことだと思います。
ー参加に迷っている人に一言お願いします
「自分はもうたくさん考えてきた」と思う人ほど、行ってみて欲しいということです。たくさん内省してきたとか、考えるフェーズは終わったなって思っている人です。もっとあるから!!