参加者インタビュー
「“社会的フツー”からの解放」いろんな在り方が輝いていかしあう社会へ。
鶴田苑美/Sonomi Tsuruta
1996年生まれ、24歳。
小さい頃から、日本の“普通”に対して違和感を覚えてきた。海外留学を通じて「自分は自分でいい」という感覚を体感し、持っていた価値観が変わる。再び留学するために大学休学を決意。留学前に自分と向き合おうと東京18期生としてLIFE DESIGN SCHOOL(以下LDS)へ。現在は「生き方の多様性を広げる」「心と体をつなげる」をテーマに活動を行っている。
ーLDSに来た理由を教えて下さい
昔から日本の「当たり前」に違和感を感じてきました。
例えは、男女がばっきり分かれることに違和感を感じて、男装して学校に行ったり、点数一元主義的な受験教育に違和感を抱いて海外の高校に進学したりしました。また、就活の時期になると、その波に乗るのも違うなと思って、流されないように「背水の陣作戦」で髪を金髪に染めたこともあります(笑)
普通の決まり事に対して、ラインを引かれてる感じが嫌だったんです。普通という考えの裏側に普通じゃないという概念があります。みんな意識せずに使っているけど、「普通」によって生きづらさを感じている人がます。
小学校・中学校でいじめられていて、自分もその“当事者“でした。生きづらさの押し付け合いやマジョリティ・マイノリティなどの線を作る考え方に違和感を感じていました。
「生きづらい日本から逃げているだけだ」
そんな私でしたが、大学3年の時に留学に行って価値観が変わりました。ワクワクしながら生きることを体感出来たんです。さまざまなバックグランドを持つ人々との関わりの中で、何の型もルールも、「普通」もない中で、自分が無意識のうちにルールに縛られていたことを認識しました。
「自分は自分でいいんだ」と思うと同時に、今までの生き方が嫌だなと思ったんです。流れで就活しちゃうと、得たものをなくしてしまう危機感があって休学を選択しました。
休学して、すぐに日本を出ることは出来たけれど、このまま行くと、「日本という生きづらい場所から逃げているだけだ」と思いました。今このまま外に出たら、日本で、自分が自分でいられない状態がずっと続く。
だから、日本でこれまで壊せてこなかった自分の課題に向き合った方がいいのかなって。日本に居るいづらさを軽減させようと思いました。
ーLDSに通う前はどんな感じでしたか?
「成績で人を判断する価値観から抜けたい」と思っていたにも関わらず、「(自己肯定感や自己評価が低く)自分の価値を成績で証明しなければ」という相反する価値観が同時に発生して、「ほぼ自分の全てをかけて勉強する」という状態でした。
留学を経て、他からの「常識(≒べき論)」や他人の価値観で生きてたから生きづらかったことに気づきました。「自分のワクワクに従って生きていいんだ!」という感覚を得て、留学先でいろんなプロジェクトに関わって無双していました。ワクワクの塊が心の中にあって、その塊が動く方向に、体が動いていくという感覚がしたんです。
「無意識にルールに縛られていた」
でも、留学から帰って、今まで生まれ育った環境に戻ると、大学でテストの点数にエネルギーに使う自分を再認識しました。「~しなければ」と「べき論に」縛られていました。
また、周りにも自分の大切にしたい感覚を理解してくれたり、話したりできる人があまり居ませんでした。まあ、いないと思い込んでいた、というところが大きいと思うのですが。
新たに得た価値観や思考は使い続けていくから、身になっていきます。でも使う機会が少ないと元に戻ってしまいます。私が大切にしている価値観を1人でキープするの難しいと感じていました。
ーLDSでの変化を教えてください
留学をしていたことによって価値観の変容が起こったけれど、日本に帰ってきたことで戻ってしまっていました。でも、LDSをやればやるほど、留学先で生まれた感覚は間違いではなかったことを確認する、そんな回を重ねていきました。「自分が大事にしたいことは合っていたんだ」と思えました。
LDSの中でたけさんが言っていたことが、まだきれいに言語化できていないけれど確かに私の中にあることを言ってくれている感覚でした。そこでほっと安心感を感じていました。
「ライフワーク」への一歩
また、ライフワークチャレンジとして自分のやりたいことをやってみたことも自分にとって大きかったです。体を動かすワークショップや「アイスブレイク屋さん」に挑戦したり、団体を作ったりしました。
今までは、やってみようと思うことがあっても人を巻き込むのが苦手でした。グループとか、人を巻き込む系の人間関係でいい経験をすることがあまり多くなかったので、「1人で生きても大丈夫なくらい強くなりたい」と思っていました。
人を巻き込んで何かをするとなると、迷惑をかけるし、そもそも自分には、「参加者みんながハッピーなグループ」を作ることはかなり難しいことだと思っていました。
でもやってみたいと言ったら、意外とみんな乗ってくれて、来てくれました。人を巻き込んで何かをすることに対するハードルが下がったし、自分がやってもいいんだなと思えました。
「人と何かをするのはすごくいいな」とか「場をつくることが好きかもしれない」と気づきました。向いてるかは分からないけど、やってみたら好きだし、やりたい方向なのかもしれないと思いました。
LDSはランダムな人たちの集まりです。全員はじめましてから始まって、バックグランドも感覚も違うけど、自分に対して、理解しようとか話をきいてくれる人がいるんだって思えました。
また、LDSには卒業生も含めて、ワクワクすることや自分の好きなことをやっていいじゃん、という意志の元、実際に動いている人たちがたくさんいます。そういった人たちと話したり、一緒に学べたりして、触れられていること、関わってられることも大きいと思います。体感的なものだけど、その環境に関われることが居心地いいんです。
お互いの「らしさ」を活かしあう世界を創りたい
ー実現したい未来を教えてください
一言で表すと、生き方の多様性を広めたいと思っています。
他人や社会と比較するのではなくて、自分自身の心の声に従って、自己実現ができる、それをするためのアクションがとれるような社会になって欲しいです。「自分は自分で大丈夫」と思える人が増える社会です。
今は社会の当たり前を押し付けあう状態になっていると思います。生まれ育った環境で知らない間に埋め込まれている「こうした方がいい」みたいなのがあると思うんです。それを決められていると思いこんでいる人がたくさんいます。例えは、4年生なのに就活しないで大丈夫?みたいな…。
その裏には「こうあるべき」「こうしなければならない」というような「べき論」があります。「自分も守っているから、あなたも守った方がいいよ」と心配しつつ「あなたは守ってないよ」と押し付けあっています。だから、心の声が聞けず、生きづらいし、チャレンジしにくくなっていると思います。
「ラスボスは自分自身」
でも、自分のタガ(制限)は自分で外すしかないです。自分にどんな思い込みやべき論があるのかは、その思考から解放されている人たちと一緒にいて初めて分かります。
「こういう生き方あっていいんだ」とか、「自分が抱えているこのモヤモヤって他の人も感じているんだ」「一人じゃないんだ」と思えることの積み重ねで自分の「べき論」から外れることが出来ると思います。
だから、自分の心の声を聞く手伝いをする手段としてコーチングとか、参加者が自分自身を出せる状態をつくる手段として場づくりなどをひとつのツールとして持っておきたいと考えています。
ーLDSの価値は何だと思いますか?
ざっくり二つあると思います。1つ目は思考の制限からの解放されることです。自分で自分の可能性に蓋をしないことの練習をさせてくれていると思います。それはどんな人にも大事なことです。
2つ目は生きづらさの再生産を止めることです。世の中、痛みや悩みを持っていない人の方が少ないと思います。みんなどこかに痛みを感じていて、その痛みと向き合えるからこそ、周りの人から受けている傷を自分の中で解消して消化できます。
LDSは「自分の痛みや生きづらさは何処からきたのか?」をじっくり時間を取って考えます。その後で「本当にやりたいことは何?」かを考え、それが自分の心の声に耳を傾ける練習につながっていく。
そうすることで、自分自身の今までの「べき論/生きづらさ」から開放されていくし、誰かに自分の「べき論/生きづらさ」を押し付けることも、なくなっていく。最終的に、生きづらさを抱える人が減る。
このふたつ、どちらも自分の探究テーマなのですが、それをどっちもやっているところだと思います。
LDSのホームページに書かれている「可能性にフタをせず、実現したい未来を思いっきり描いて、それに向かって生きる人たちが溢れる社会をはぐくみ続けたい。」という、その願いを本当に実現させようとしているところ(あと、一部の卒業生はは本当にできている/その道に近づく生き方をしている事実)にものすごい価値を感じます。
ーこの記事を読んでいる人に一言お願いします
今、自分についてなにか向き合いたいなどと思えているということは、それだけ心の声を聞く準備ができているとかタイミングが来ているのだと思います。LDSを選ぶかどうかは、合う合わないとかもあるから、もちろん自由。
でも、自分に対してモヤモヤしてるとか、何かをしたいけどどうすればいいか分からないとか思っているなら、そういうタイミングなんだと思うし、それはきっと人生の大きな流れの中で見たらチャンスのタイミングだから、”めんどくさい”という思いに流されずに自分を掘る方向に向かってみてほしいなと思っています。
もし、LDSに興味を持っているとしたら、LDSの卒業生なら話を聞いてくれると思うから、ちょこっと勇気を出して、コンタクトをとってみるのも一つの手段としていいかもしれません。
(インタビュアー:「それ、そのみも聞いてくれるってことだよね?」)
おお笑。このタイミングでの質問笑。うん、私も聞くよ〜笑